なぜ光速を超えられないのか

最も速いものは光である

この世界で最も速いものは光で、約30万㎞/sであることが知られている。

実はこれには少し誤解があるのだが、今回は難しいことは抜きにして「この世界での最高速度は光速の30万km/s」と考えることにする。

ではなぜ、最高速度は30万km/sと決まっているのか。

速度が有限だと言うのは、考えてみると違和感があるのではないだろうか。

技術的にできるかどうかは別として、莫大なエネルギーを用いて加速させたらいくらでも速くなる気がする。

しかしどんな高度な技術、どんな画期的な方法、どんな莫大なエネルギーを用いても、30万km/sは絶対に超えないのだという。

果たして30万km/sとは何の数字なのか。

「光速=処理速度の限界」説

ゲームの世界、もっと大きく言うとコンピュータの世界には「処理速度」というものがある。

これは読んで字のごとく、コンピュータがデータを処理する速度のことだ。

この処理速度には、もちろん限界がある。

この世界がシミュレーション世界だとすると、シミュレーションしている機械にも最大処理速度が存在するだろう。

光速(この世界での速度の限界)はシミュレーションしている機械の処理速度の限界なのではないだろうか。

亜光速の物体が示す証拠

アインシュタインは、「物体が移動しているとき、その物体の時間の流れは遅くなる」ということを発見した。

物体が光速に近づくにつれて時間の流れは遅くなっていき、光速に達すると時間は止まる、というのだ。

私たちが普段生活していく上では実感することもないだろうが、理論上は立ち止まっている人よりも歩いている人の方が時間の流れが遅くなっている。(もちろんごく小さな差なので、気づくことはない。)

しかしこれは実際に実験され、証明されている。

非常に精密に時間が図れる原子時計というものを2つ用意し、一方を飛行機に乗せて移動させる実験をした。その後2つの原子時計を比べると、飛行機に乗せた方の原子時計の方がわずかに遅れていたのだ。

また、7.7km/sという比較的速い速度で移動し続けている国際宇宙ステーションでは、一年間で約0.014秒時計が遅れることも分かっている。そのため、国際宇宙ステーションやその他の人工衛星などでは、時間をわずかに短く設定し、地球上の時間と一致するようの設計されている。

ところで、アクションゲームやシューティングゲームなどで、処理が重たいときに動きが遅くなるのを経験したことがあるだろうか。

ゲームの世界ではあまりに複雑で重たい処理をしたとき、処理能力が追いつかずに処理が遅くなることがある。

もうお分かりいただけただろう。

光速に近い物体の時間の流れが遅くなるのは、処理能力の限界に近づいて処理が重たくなっていると考えられるのだ。

光速=処理能力の限界に近づいているのだから、処理が重たくなるのも無理はない。

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