ビッグバン仮説
宇宙の起源として最も有力とされている説が「ビッグバン」だ。
誰しも聞いたことがあるだろう。
簡単に分かりやすく言えば宇宙はとてつもない爆発によって始まったという説である。
しかし、このビッグバン仮説には未だに解明されていない大きな謎がある。
「なぜ何もないところでいきなり爆発が起きたのか?」
「その莫大なエネルギーはどこからきたのか?」
「ビッグバンが起きる前の世界はどうなっていたのか?」
これらについては何も分かっていないのだ。
何もない場所から突然世界が生まれるなんてあり得るはずがない。
思考実験なんかよりよっぽど非論理的、非科学的でひどいものである。
「ビッグバンの前は量子的揺らぎのある世界だった」
「ビッグバンの前にはブレーンと呼ばれる膜が存在する世界があり、膜の衝突によってビッグバンが起こった」
のような説も提唱されているが、じゃあそれらはどこから生まれたのか。
何の解決にもなっていないことがわかる。
ゲームの世界と考えればどうか
では、ゲームの世界はどう始まるか。
それは、我々人間がゲーム機の電源を入れたり、スマホのアプリを起動したりすると始まるのだ。
ゲームの中の人からすれば(もしゲームの中の人に意識があるとすれば)、まさに突然世界が始まったことになる。
電源が切れた何もない状態から、突然世界が誕生し、人間に操作されていることも知らずに存在しているのである。
これは我々が現実世界だと思い込んでいるこの世界にも当てはまらないだろうか。
世界が始まった瞬間を「ビッグバン」というならば、それは爆発なんかではなく、我々が認知することのできない上位の存在が機械の電源を入れ、シミュレーションを開始した瞬間なのではないか。
そう考えれば突然世界が始まったことも説明がつく。
ビッグバン仮説の根拠
これまでビッグバン仮説を否定してきたが、もちろんビッグバン仮説にもそう考えた根拠がある。
1927年、ベルギーの天文学者ジョルジュ・ルメートルは地球から観測した銀河が徐々に遠ざかっているという観測結果と計算により、初めて「宇宙は膨張している」「宇宙は小さな点における爆発から始まった」という論を発表した。
その後、天文学者エドウィン・ハッブルがその論を裏付け、さらに天文・核物理学者のジョージ・ガモフは宇宙の始まりが超高温・高密度であったことを示した。
これらの発見が、現在でも知られているビッグバン仮説の根拠となった。
たしかに、「宇宙は膨張しているのだから、逆算すれば始まりは小さな点だった」ということ自体は納得がいくのだが、やはり先ほども述べたように大きな謎が残っているので正しいとは言い難い。
このビッグバン仮説の根拠となった点だが、実はこの世界がゲームの世界だという説の根拠にもなりうるのである。
ゲームというのは一般的に、起動した瞬間が一番多くの処理を行う。
データのロード、パラメータの初期化、キャラクターやマップの配置・表示、BGMの再生など最初にしておかなければならない処理が大量にある。
スマホゲームを例にとると少し分りやすいかもしれない。
現在のスマホは処理能力が高いのでそれほど顕著には現れないが、スマホのゲームアプリを起動したとき、実際に起動するまでに少し時間がかかる。
ゲーム制作者は起動時に処理が重くなりすぎないように、できるだけ分散して処理をさせるようにするのだが、それでもどうしても比較的時間がかかってしまう。
それこそ企業やベテラン開発者が作ったアプリではそんなことは少ないだろうが、ゲーム制作初心者が作ったゲームは起動時の処理分散をうまく行えておらず、起動した瞬間にアプリが落ちてしまう、なんてことが起こったりする。
スマホゲームでこのレベルなのだから、世界をシミュレーションする場合の起動時は相当の処理が必要なはずだ。(実際に行なっているコンピュータの処理能力は計り知れないが)
シミュレーション世界の起動時、シミュレーションしているコンピュータは絶え間なく莫大な処理をし続けるため、これが初期宇宙の「超高温・高密度」につながるのではないかと思う。
さらに宇宙が膨張しているという事実についてだが、これはシミュレーションの範囲を拡大し続けているということなのではないだろうか。
もしかしたら処理落ちしないように最初は小さい世界から始め、徐々に広げているのかもしれない。
もしそうだとするならば、世界を広げすぎて処理落ちしないことを祈るばかりだ。